第五話
「冷たい村の優しい二人の暖かい事情」


今まで賽がマスタリングしてきた中でも、一、二を争う良い話になりました。
ひとえに、プレイヤーお二方のお陰ですね。

ヒルシュ夫妻は賽お気に入りのNPC達なので、以後また折を見てネタに使うかも知れません。


強引な導入

 お読み頂ければお解りの通り、今回は相当強引なシナリオの導入にしました。
このテを使われて、「ヤです」て言う人は、多分いないと思います。

 本来賽はマスタリングをするにあたって、GMによる強制てのを嫌います。やっぱり、飽くまでもプレイヤー達が自主的に動いてもらってナンボだと思うんですね。
 だって楽しくないじゃないですか、プレイヤーの方々が(笑)。コンピューターゲームならいざ知らず、人間がGMをやってるのに、例えば受けたくない依頼、気にくわない依頼人に対する拒否権一切ナシなんて。いや、依頼の諾否に限りませんが。

 コンピューターゲームなら、機械に柔軟性が無い以上「だが断る」てされると本格的に話が進まなくなりますから、仕方ないでしょうけど。
でも人間なら、一旦依頼人が引き下がって別の形で依頼するとか、報酬の面で交渉の余地を作るとか、幾らでもやりようがありますから。


 にも関わらず、敢えて導入を強引にしたのは、一つには今回のシナリオが時間を食いそうだったので、序盤に掛ける時間を短縮したかったため。
 で、もう一つには、女将さんの強引な性格をたまには強調したかったため。

 余りにもご都合主義な(例えば怪しい部屋に閉じ込められないよう入り口の扉にくさびを打ち込んでおいたのに、魔法による壁が生まれて、意味が無くなったとか)展開はプレイヤーがGMの作為を感じて興ざめしますけど。
でも、「強引なキャラによる強引なPC達の操作」てのは、プレイヤーの「強引だな」てイメージはGMでなくてそのキャラクターに向かいますから。
 勿論程度にもよりますし、余りこの手が多すぎるとプレイヤーは「GMが強引なんだ」てイメージを持ってしまうでしょうけど。
 ただ、たまに使う分には非常に便利な手だと思います。



ファリス神殿で聞けた筈の話


 グリムザさんがファリス神殿に来ないかも、てくらいは一応予想してた…というか可能性くらいは考えてたのですけど。まさかリアさんが「盗賊ギルド」を口走ってしまうとは全く思わず(笑)。
 リデル君にお任せになってしまって、しかも洗いざらい用意していた情報を与えてしまうと、ホントに一人芝居になってしまいますし…
 そんなに重要な情報を神殿で出す予定もなかったので、基本的にファリス神殿からの情報提供はナシにしてしまいました。
 ちょっと厳しかったかな…

 一応用意していた情報としては。
 ・セネクスは失踪直前、村人に不審な人物がいると妻に漏らしていた。
 ・村では犬や猫、家鴨、鶏から牛に至るまで、外で飼っている動物がいなくなる事件が起きていた。
 ・ここ一月、ノルテ村で特に怪しい人物が来訪したという事はなかった。
 ・ロレン村のトーマは遺体発見当日までずっと村にいた。
 ・ロレン村の人間に話を聞いても、ノルテ方向から来た旅人はここ数日いなかった。

 主にこんなトコでしょうか。

 ちなみに名前だけ出てきて、結局何事もなく忘れ去られてしまったトーマさんですが。
 元々重要な情報は持っていませんでした(笑)。
 ただ、セネクスが着ていた皮鎧(=ハードレザー)の肩当ての部分が大きく破損しており、それ以外の部分は全て細かめの傷であった事を覚えていた、という設定。
 それだけの情報でも、グリムザさん辺りは「何かデカい物で一撃喰らった、とかかな」て予想ができたかも知れません。


深夜、夫妻の会話


 リアさんが起きて聞きそびれた夫妻の会話。最速で起きて聞き耳に成功してたら、↓の会話から聞く事ができた筈でした。
「ヒルシュ、大丈夫なのかしら、彼ら」
「ん? 大丈夫だろ、彼らだってプロなんだから、身を守るくらいはさ」
「そうじゃないの。セネクスの件で、貴方を疑って調べにきた、ファリスの神官なんじゃないかしらって」
「またプリムラの考えすぎが出たな」
「ヒルシュ。本気で心配してるのよ」
「解ってるって。大丈夫だよ、彼らの目を見れば、嘘をついてるかどうかくらい解るさ」
「ヒルシュの目を疑うわけじゃないけど…」
「それに、もし彼らがファリスの神官だったとしたって、俺達に探られて痛い腹は無いんだし。好きに調べてもらえばいいじゃないか」
「それは、そうなんだけど…」
「確かに、少しプリムラには我慢してもらわなきゃならないから、それだけが嫌なんだけどな」
「そんなのは、どうでもいいの。私は幾らだって我慢できるわ、ヒルシュのためなら」
「済まないな」
「いいの。私はヒルシュのお陰で生きてられるんだから。でも、彼らがもしファリスの神官で、私ならとにかく、ヒルシュにまで濡れ衣を着せようとしたら…」
「考えすぎだよ」
「ファリスの神官達に私の話が伝わるだけでも、厄介事が起きそうで、怖いのよ」
「いや、心配しすぎだって。別に彼らも無闇に人を傷つけたりしないだろ」
「私も彼らが悪い人だとは思っていないけど。ヒルシュの目はいつも確かだから」
「取り敢えず、ファリスの連中に知られなければいいだろ」
「寂しい思いをさせてごめんなさい」
「プリムラの責任じゃないったら。友達ができたら、俺もお前も嬉しいだろ」
「うん、そうね…」

 ちなみに、最初から最後まで全部聞き取るためには、途中二回の聞き耳判定と、一回の忍び足の判定が必要になる予定でした。


対オーガー戦


 本当は、オーガーを探すためにファリス神官達と森を捜索競争…みたいな話にする予定だったのですが。

 グリムザさんのファインプレイでファリス神官達は情報不足になり、森を怪しいと思う事ができず。
 しかもリアさんのファインプレイで、村の中に怪物が出たと信じ込んでいる神官達は、そもそも村の警備を強めることしか考えておらず。
 よって、捜索競争はナシ、無事PC達のみで森を捜索する事になりました。
本当にお見事な連携だったと思います。

 まあ、加えて…かなり割愛してありますが、お二人の議論がかなり長引いていて、相当時間的にカツカツの状態だったため、かなり大雑把なオーガー捕獲・退治になってしまったのが、やや心残りでしょうか。

 あ、念のため言っておきますけど、オーガーが罠回避で10点貰ったのは、嘘でも誇張でも何でもなく、マジな話ですからね(笑)。


イラスト


 いやあ、笑いも笑ったり、大笑いですよ(笑)。
 今回は(ネタ的に)美味しいシーンが山のようにあったので、も少しイラストを増やしたかったのですけど…
 ああ、賽の手違いでできなかった事がホントに口惜しいなあ。

 で…えー、皆様お気付きでしょうか。

 フリスタの表紙に載ってるグリムザさんは、一度として正面を向いた事がない。

 賽は烏さんご自身に指摘されて初めて気付きました。確かにそういう性格のキャラだ(笑)。

 あと、手描きの地図は結構色々な方にご好評を頂きました。
 やっぱ賽が慣れないEXCELで、しかもやっつけ仕事で作ったデータをJPEGにハードコピー、なんぞとはワケが違います。…当たり前か(笑)。
 以後もこんな感じで、マップが必要な所は烏氏にお願いして、より読みやすい本にしていきたいと考えております。



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